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執筆者の写真tarokoike

【Finale】PrintMusicユーザーは他社製品への乗り替え時か



2023年末に、Finaleファミリー製品のテクニカル・サポート対象バージョンに改変がありました。2024年1月4日現在のテクニカル・サポートの対象は以下となります。


  • 2021年以降に購入のFinale 27日本語版(バージョンアップ版含む)

  • 2021年以降に購入のPrintMusic for Windows (PrintMusic 2014)日本語版 (バージョンアップ版含む)


つまり、これまではサポート対象であったFinale v26、2020年12月31日以前に購入のPrintMusic for Windows、さらに全てのPrintMusic 2014は、今後はライセンス認証を除くテクニカル・サポートの対象から外されることとなります。



1.Finale v26


Finale v26は、オリジナルの英語版v26.0が2018年発売、最終バージョンのv26.3.1無償アップデータが2020年6月公開となった製品です。


Mac版は動作環境が2021年公開のmacOS 12 Montereyまでですが、今のところmacOS 12以前で使用している限り、大きな問題は見られません。


同OSの最新の安定版である12.7.2は2023年12月公開と比較的新しいことを考えると、macOSを13以上にアップデートしないで使う限りにおいては、テクニカル・サポートは受けられないとはいえ、v26はまだ現役で使えるかと思います。


Windows版については、最新OSであるWindows 11に対応しているものの、OS内のドライバとの競合により起動できない問題も少なからず発生しています。


特に、以下の問題が発生した場合は、解決はまず不可能です。


▼Finaleを起動できない(起動画面「応答なし」:Finale 26以前、Windows)


多少不便になるものの一応の回避策があるので致命傷ではないと思いますが、もし気になる場合は、この問題が解決された最新版v27へのバージョンアップをお勧めします。(Finaleバージョンアップ版はダウンロード版のみ、16,500円



2.PrintMusic for Windows (PrintMusic 2014)


PrintMusicは、過去においては無料版、初心者向け、中級者向け、プロ向けと4種類のラインナップがあったFinaleファミリー製品のうち、中級者向けに相当する製品です。


これは機能制限が多く特殊な表現は殆どできないものの、普通の楽譜を作る分においては、お手頃価格でFinaleっぽい綺麗な楽譜を作成できるということで、一定の人気がありました。


PrintMusic for Windowsというのは、実質的には2014年9月発売のPrintMusic 2014と全く同じものです。


PrintMusic 2014は、発売当時はそれまでのバージョンと同様にMacとWindowsの両方で使用できましたが、2017年10月にはOS非対応となったMac版が削除され、Windows専用として製品名が変更され、価格を下げて販売が継続されて来ました。


2015年11月に2014.5のアップデータが公開された英語版のPrintMusicは現在もWindows専用として販売が継続されていますが、最初期バージョンである2014aから10年間進化しなかった日本語版は2023年末に販売が終了となり、2024年1月現在、テクニカル・サポートの対象は2021年以降に販売された製品のみに限定されています。


このような状況から、PrintMusicユーザーとしては、この1〜2年間くらいは最上位版Finaleにアップグレードするか、あるいは他社製品への乗り換えも検討すべきタイミングかと思います。(Finaleアップグレード版はダウンロード版のみ、52,800円)


他社製品としては、例えば以下が考えられます。いずれもMusicXMLの読み書きに対応していますので、これまでPrintMusicで作成して来たファイルもMusicXMLフォーマットで保存することにより、ある程度の継続使用が可能です。


また、これらの製品は全てMac & Windowsの両方に対応しています。



(1)Notion 6


iOS版とのクロスプラットフォーム、同じくPreSonus社製DAWのStudio Oneとの連携、手書き入力機能の搭載、音源のリアルさなどを特色とした、より作曲・アレンジ向けの仕様となっています。


Notionには上位製品のラインナップがありませんが、Studio Oneとの連携は魅力的で、DAWを使っている、あるいはこれから導入したい方にはお勧めです。


▼Notion製品ページ

税込価格:17,600円



(2)Sibelius Artist


最初期バージョンの発売は1998年と、1989年発売のFinaleに次ぐ長い歴史を持ち、世界的にはFinaleとシェアを二分している(つまりユーザー数が多い)と言われる、伝統と実績あるSibeliusシリーズのアマチュア向けバージョン。上位製品にSibelius Ultimate(98,450円)があります。


Sibeliusシリーズ製品はいくつかの購入先がありますが、以下はその一つ、タックシステム株式会社のオンラインストアです。


▼Sibelius Artist 永続ライセンス版(TAC Online Store)

税込価格:23,320円



(3)Dorico Elements 5


Sibeliusの開発に携わっていたエンジニアがスタインバーグ社の元で開発を進め2016年に世に送り出した、全く新しい楽譜作成ソフトウェア、Doricoのアマチュア向けバージョン。高度な楽譜編集機能を持つ上に、プレイバックはDAW感覚での編集も可能で、至る所に新しさを感じさせます。


上位製品にDorico Pro(69,300円)があります。


▼Dorico Elements 5

税込価格:13,200円



(4)Guitar Pro 8


ギター専用を思わせる製品名ですが、選べる楽器の種類はPrintMusicと同等あるいはそれ以上です。オーディオ・トラックを読み込んで小節を楽譜とリンクさせる耳コピに便利な機能も搭載しているなど、練習ツールとしての使い道もあります。


Notionと同様、上位バージョンはありませんが、充実した機能と手頃な値段から、特にギターの楽譜を書きたいという人は試す価値はあると思います。


▼フロンティアファクトリー社オンラインストア

税込価格:14,300円



(5)MuseScore 4.2


無料ながら高性能な楽譜作成ソフトウェアで、現バージョンの「4」では更に大きな進化を遂げ、性能アップのみでなく、扱い易さも向上しています。


最終的に何を選ぶにしても、まずはこれをダウンロードして使ってみることをお勧めします。


▼MuseScore公式サイト

無料



(6)Compose(MakeMusic Cloud内)


Composeを含めたMakeMusic Cloudは現時点では日本語化されていませんが、無料とはいえPrintMusicよりは高性能で扱い易く、今後も進化が期待されるアプリケーションですので、これも一度お試しいただくことをお勧めいたします。


▼Compose(MakeMusic社ウェブサイト:英語のみ)


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PrintMusicから上記製品への乗り換えは、セットアップから基本的な使用方法のレクチャーなども含めて弊社でもサポートできますので、もしご必要でしたらお問い合わせ頂ければと思います。


(本記事に掲載した各製品の価格は2024年1月4日現在の税込価格で、特記のない場合はダウンロード版のものです。)

【お知らせ】

Finaleからの乗り換えを支援するDorico集中講座をZoomオンラインにて開催中。2期目となる2024年11月開講コースの開催が決定しました。詳細はこちらのページをご覧下さい。

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