楽譜を書く時、音符から書き始めて、つい調号を書き忘れることがあると思います。
手書きの場合は単に調号を書き足せば済みますが、Finaleの場合は調号を再設定した際に今まで書いた音符のピッチが変わってしまいます。
これは調号ダイアログボックスを用いると、ある程度の修正が可能です。ちょうど前回のフィナーレ集中講座ではこの問題を取り上げましたので、その際に使用したレジュメを元に、その方法を紹介します。
仮に、Key in Fで7種類のモード一覧を作る際、調号の設定を忘れて初期設定のKey in Cの状態で音符入力を完成させてしまったとします。
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この場合、まずは調号ツールを選択してキーを変更したい最初の小節をダブルクリックし、調号ダイアログボックスを表示させ、キーをFに設定した上で「五線上の音符の位置を動かさずに変化記号を適用」を選択してOKボタンをクリックします。
このファイルではIonian、Dorianなどのモード名はコード・ツールで書いていますので、それらのルート音がP4th上のB♭に変わってしまうものの、4番目のFリディアン・スケールの4つ目の音を除いて本来のピッチを保ち変換でき、これが最も少ない修正で済みそうです。
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コード・ツールで書いていた各モードのルート音については、「ユーティリティ>変更>コード定義」で開く「入力されたコード定義の変更」ダイアログボックスにて、さらに右上の「移調」ボタンをクリックして開く「移調」ダイアログボックスにて、B♭から本来のFに変更できます。
そうすると、手動で修正しなければならないのは、先ほどのFリディアン・スケールの4つ目の音のみとなります。
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場合によっては書き直してしまった方が早いこともあるかも知れませんが、既に多くの音符を入力してしまっている場合は、この方法を試す価値はあるかと思います。