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執筆者の写真tarokoike

【Finale】セットアップ・ウィザードの「楽譜書式」を自分好みにカスタマイズする

前回の記事では、Finaleの「デフォルトの新規ファイル」を自分好みにカスタマイズする方法を紹介しましたが、セットアップ・ウィザードの「楽譜書式」についても、同じ方法でカスタマイズが可能です。


例えば、セットアップ・ウィザードにある「1_出版譜風(Kousaku)」の楽譜書式をカスタマイズしたい場合は、以下のファイルをFinaleで開いて編集します。


【Mac】

Macintosh HD/Users/(ユーザー名)/Library/Application Support/MakeMusic/Finale 27/Music Files/Document Styles/1_出版譜風(Kousaku).musx

【Windows】

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\MakeMusic\Finale 27\Music Files\Document Styles\1_出版譜風(Kousaku).ftmx


(Windowsの場合、AppDataフォルダは不可視のため、作業前にWindows側で不可視ファイルを表示する設定に変更します。また、デフォルトの新規ファイルのカスタマイズ時と同様に、ファイルはFinaleテンプレートファイル(.ftmx)形式で保存します。)


なお、「楽譜書式」のファイルはセットアップ・ウィザードを介して開かれる点で、直接開かれる「デフォルトの新規ファイル」とは扱いが異なるため、カスタマイズに制限がある点にご注意ください。


例えば、前回記事で紹介した五線の属性ダイアログボックスにある「未入力の小節には全休符を表示する」は、ファイル上でOFFに設定してもセットアップ・ウィザードで開くファイルではONになり、ユーザーによる設定は有効になりせん。


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ところで、この「Document Styles」や、デフォルトの新規ファイルを格納した「Default Files」フォルダは、Finaleのインストール後、最初にセットアップ・ウィザードや「デフォルトの新規ファイル」を開いた際に、ルート階層の所定フォルダ内にある同名のファイルがユーザー階層にコピーされる仕組みです。


ユーザー階層にコピーされたこれらのファイルは、手動で削除してもその後にFinaleを再起動してセットアップ・ウィザードや「デフォルトの新規ファイル」を開けば、ルート階層に配置されたオリジナルのファイルが再度、ユーザー階層にコピーされます。


この性質を知ると、楽譜書式については、ファイルの中身の他に、セットアップ・ウィザード上での表示もカスタマイズが可能になります。


例えば、Finale v25、v26のMac版では、プログラムの仕様上、セットアップ・ウィザードの最初の画面で、2014以前では2番目にあった「手書き風」が、macOSのバージョンによっては最上位に配置されるようになってしまっています。

そのため、「出版譜風」の楽譜を作りたいのに最初の画面で楽譜書式の切り替えを忘れたため、できた楽譜が「手書き風」になってしまった、というトラブルが良くありました。


書く楽譜は「出版譜風」がメインであるという人は、ルート階層の以下のフォルダ内で「手書き風」というフォルダを新規作成して、「手書き風.musx」をその中に移動させます。


/Library/Application Support/MakeMusic/Finale 26または25/Music Files/Document Styles

その上で、ユーザー階層の以下のフォルダ内で「手書き風.musx」を削除して、Finaleを再起動してみてください。


Macintosh HD/Users/(ユーザー名)/Library/Application Support/MakeMusic/Finale 26または25/Music Files/Document Styles

この処理を行うことで、次にセットアップ・ウィザードを開いた際には「出版譜風」がトップに配置されるようになり、上記のようなトラブルを避けることができます。


(「手書き風」の楽譜を書く場合は、「手書き風」フォルダ内に移動した「手書き風」の楽譜書式を選択します。)

v27ではこの仕様が改善され、セットアップ・ウィザード上での楽譜書式ファイルの並び順をファイル名で制御できる仕様になりました。


そのため、例えば記譜用フォントにFinale Maestroをメインで使いたい人は、ルート階層の楽譜書式ファイルの名称を「1_出版譜風(Finale_Maestro).musx」と「2_出版譜風(Kousaku).musx」に変更し、ユーザー階層のファイルを削除してFinaleを再起動すれば、楽譜書式として都度これを選ぶ手間を省くことができます。


あるいはもっと簡単に、自分好みに設定した楽譜書式ファイルを、例えば「0_出版譜風(Finale_Maestro)2」という名称で以下のようにユーザー階層のフォルダに追加するだけでも構いません。


【Windows】

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\MakeMusic\Finale 27\Music Files\Document Styles\0_出版譜風(Finale_Maestro)2.ftmx


(Windowsの場合、AppDataフォルダは不可視のため、作業前にWindows側で不可視ファイルを表示する設定に変更します。また、デフォルトの新規ファイルのカスタマイズ時と同様に、ファイルはFinaleテンプレートファイル(.ftmx)形式で保存します。)


Macの場合も同様に、記事の最初に記した階層に、以下のようにファイルを配置します。


【Mac】

Macintosh HD/Users/(ユーザー名)/Library/Application Support/MakeMusic/Finale 27/Music Files/Document Styles/0_出版譜風(Finale_Maestro)2.musx


これにより、セットアップ・ウィザード上でこの「0_」が「1_」「2_」を抑えてトップに配置され、最優先で選ばれるようになります。


前述のようにユーザー階層のファイルは削除&再起動で元に戻せますし、ルート階層のファイルもFinaleを上書きインストールすれば、全て初期状態に戻せます。


万が一失敗してもやり直しは可能なので、トライ&エラーで自分なりのカスタマイズをいろいろ試せるかと思います。

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